ゴルフのアンプレヤブルとは?いまさら聞けないゴルフ用語

ゴルフを続けていると「アンプレヤブル」という言葉を耳にすることがあります。

でも、「アンプレヤブルって実際どんなルールなの?」なんてゴルフ仲間にいまさら聞けませんよね。

そこで今回は、いまさら聞けないゴルフのルール「アンプレヤブル」について詳しく解説したいと思います。

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アンプレヤブルとは?

アンプレヤブルとは、ボールが打つことが困難な場所や状態になった時にプレーヤー自身の判断によりアンプレヤブルを宣言して別の場所にボールを移動することができる救済処置を受けることができるルールです。

アンプレヤブルの救済を受けるタイミング

アンプレヤブルを受けるタイミングは基本的にはプレーヤーの判断で自由にいつでも受けることができます。これはたとえば、フェアウェイのど真ん中の綺麗な芝の上でも受けることができます。

アンプレヤブルの救済を受けるタイミングは主に、木の根元や枝の中にボールが止まってしまった場合やバンカーのふちにボールが深々と刺さってしまった場合などプレーヤーが球を打つことが困難だと判断した状況などが挙げられます。

アンプレヤブルの数え方

アンプレヤブルの救済を受ける場合、スコアに1打罰を付加する必要があります。スコアの数え方は自分が実際に打った数にプラス1打足すだけです。

たとえば、1打目で打ったボールが木の根元に止まってしまって2打目でアンプレヤブルの救済を受け、処置をしたのちの次のショットは4打目という計算になります。

アンプレヤブルの処置や救済方法は?

アンプレヤブルは1打罰を付加すれば自由にボールを好きな場所に動かせるというわけではありません。アンプレヤブルの救済を受ける場合、以下のような正しい処置と救済方法を行う必要があります。

アンプレヤブルを受ける手順

アンプレヤブルを受ける際はまず、アンプレヤブル宣言をします。これは同伴競技者に「アンプレヤブルを受けます!」とひとこと伝えるだけでアンプレヤブルを宣言したことになります。

アンプレヤブルを宣言したらボールのあった位置をティなどでマークしてボールを拾い挙げ、次に紹介する3つの救済方法から一つ選択して救済を受けます。

アンプレヤブルの3つの救済方法

アンプレヤブルの救済方法には3つの選択肢があり、そのうち1つを選択して所定の位置にボールをドロップします。ちなみにこの3つのどの救済方法を選んだとしてもそれぞれ1打罰となります。

ボールから2クラブレングス以内【ラテラル救済】

アンプレヤブルで最も一般的な救済方法はボールから2クラブレングス(クラブ2本分)の半径にボールをドロップする「ラテラル救済」という方法でしょう。

アンプレヤブルを受けるケースの多くは、木の根元にボールが止まってしまったり植え込みの中にボールが入ってしまったなど、そのままボールを打つことが困難な場合などが挙げられます。

その場合はボールが止まっている基点からピンに近づかない半径2クラブレングスの救済エリアにボールをドロップする選択をします。

また、ボールが木の上に引っかかって落ちてこないボールをアンプレヤブルする場合はボールのある場所から地面の方へ垂直の真下の地点が基点になります。

ボールとピンを結んだ後方線上【後方線上の救済】

アンプレヤブルの救済エリアはボールとピンを結んだ後方線上ならどこまででも下がることが可能です。

たとえば2クラブレングス以内にスイングを確保するスペースがないとなれば、後ろに下がって救済を受けることが最良の方法でしょう。

後方線上に下がって救済を受ける場合は、ボールのある位置とピンを結んだ後方線上の好きなところに基点を決め、その位置からピンに近づかない半径1クラブレングス(クラブ1本分)の救済エリアにボールをドロップします。

最後にプレーした場所に戻る【ストロークと距離の救済】

ゴルフには「ストロークと距離」というプレーヤーはいつでもスコアに1打罰を追加し最後に打った地点に戻ってプレーすることができる救済があります。

たとえば林の奥で他の救済を受けたとしても次で脱出できそうにないなどの場合はこの救済で最後にボールを打った位置まで戻ってプレーすることが懸命な判断です。

もし最後にプレーした場所の正確な位置がわからないときは、おおよその位置を推測して基点を決め、その基点からピンに近づかない方向へ半径1クラブレングスの救済エリアにボールをドロップします。

また、最後にプレーした場所がティーイングエリアならそこからティアップしてプレーすることが可能です。

出典元:http://www.jga.or.jp/jga/html/rules/image/Rules_2019.pdf

再ドロップしなければいけない場合とドロップが無効になってしまう場合

ドロップしたボールは選択した救済処置で設置した2クラブレングス(または1クラブレングス)の救済エリア内に止まらなければいけません。

もしドロップしたボールが救済エリア内に止まらなければ2度目のドロップを行い、それでも止まらない場合は2度目のドロップでボールが地面に触れた地点にプレースします。

また以下のような場合は、そのドロップは無効とみなされ、ドロップを一からやり直す必要があります。

  • 膝の高さ以外からドロップした場合
  • ドロップの着地点が救済エリア外だった場合

2019年のルール改正でドロップの方法が肩の高さから膝の高さに変更となり、肩の高さからされたドロップは無効となってしまいます。

出典元:http://www.jga.or.jp/jga/html/rules/image/Rules_2019.pdf

また、ドロップされたボールの着地点は必ず救済エリア内の地面でなければいけません。ボールが救済エリア外に着地した場合もそのドロップは無効となってしまいます。

これらをそのままプレーしてしまった場合、止まったボールが救済エリア内なら1打、救済エリア外なら2打の罰が課せられます。

出典元:http://www.jga.or.jp/jga/html/rules/image/Rules_2019.pdf


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アンプレヤブルの注意点と特別処置

アンプレヤブルを受ける際にはいくつかの注意点があります。また、2019年1月からの新ルールとそれ以前の旧ルールのルール変更により勘違いしやすい点もあるのでこの機会に抑えておきましょう。

アンプレヤブルの救済が受けられない場所

アンプレヤブルは基本的にはコース上のどこでも受けることができます。ただし、アンプレヤブルの救済を唯一受けることができないのがペナルティーエリア内です。

ペナルティーエリアとは赤杭や黄杭で囲まれたウォーターハザードのことで、その中に入ったボールはその他の規則に基づいた処置があるためアンプレヤブルを適用することはできません。

また、OBの境界線の外側はコース外になるのでそもそもいかなる救済も受けることはできないので注意しましょう。

バンカー内でのアンプレヤブルの特別処置

アンプレヤブルには正確には4つ目の救済処置があります。それは、バンカー内のボールをアンプレヤブルでバンカー外に出ことのできる特別処置です。

以前まではバンカー内にあるボールはアンプレヤブルを受けても最後に打った場所に戻る以外の方法ではバンカーの外にボールを出すことができませんでした。

しかし、2019年からの新ルールでは新たな選択肢としてボールとピンを結ぶ後方線上ならばバンカー外にボールを出すことができる特別処置が設けられました。

ただし、通常のアンプレヤブルは1打罰ですが、後方線上の特別処置を選択し、バンカー外にボールを出す場合は2打罰となるので注意しましょう。

新ルールと旧ルールで勘違いしやすい点

また新ルールではドロップ時の処置もいくつか変更点があったため押さえておきましょう。

旧ルールではドロップした球が転がって自分の足や用具に触れた場合、再ドロップしなければいけませんでした。

しかし、新ルールではドロップした球が人や用具に触れたかどうかに関係なく救済エリア内に止まった場合は救済が完了したこととなりそのままプレーしなければいけません。

ただし、故意にボールに触れた場合は2打罰で再ドロップとなるので覚えておきましょう。

ドロップしたボールが元の場所に戻ったら

たとえばボールがもともとあった木の根元などそこにボールが転がりやすい地形になっているケースも多いでしょう。「ラレラル救済」を選択した場合、ボールを打つことが困難な場所にボールが転がって戻ってしまうことがあります。

アンプレヤブルしたボールが元の場所に戻ってしまった場合、そのボールを無罰で再ドロップすることはできません。これは、救済エリアがボールのあった場所が基点となっているためもともとボールがあった地点も救済エリア内となってしまうためです。

つまりこの場合はそのまま打つか、もう一度アンプレヤブルを宣言してさらに1打罰を付加するかの選択肢となってしまいます。

アンプレヤブルを宣言しないで救済を受けたら

アンプレヤブルをする際は他のプレヤーに「アンプレヤブルを受けます!」と宣言をしますね。しかし、もし宣言せずにそのまま勝手に救済を受けてしまった場合はどうなるのでしょうか?

かつてはルール規則にも「アンプレヤブルを宣言し」と記載されていて周りに必ずアンプレヤブルを宣言をしなければいけませんでした。

しかし、現在では「宣言」という表記はなく「プレーヤーはコース上のどこでも自分の球がアンプレヤブルとみなすことができる」とされています。つまり現在ではアンプレヤブルの宣言をせず勝手に処置を行ったとしても違反にはならないのです。

ただし、ゴルファーの間ではアンプレヤブルは宣言することが普通とされているためマナーの面でちゃんと宣言する方が良いかもしれませんね。

アンプレヤブルは無罰の救済ではないので注意

いかがでしたか?

アンプレヤブルはプレーが困難と判断したときに行う有罰の処置方法です。動かせない障害物や修理地に適用される無罰の救済と確かに状況は似ていますが、全く別の救済処置です。

ルールを覚えていない人はこの二つが混同しやすく処置を間違えてしまうこともあるのでこの二つの違いを理解しておくことが大切です。

特に初心者やアベレージゴルファーの中にはアンプレヤブルが無罰の救済だと勘違いしている人も多いので間違えないよう注意しましょう!



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