マスターズのパトロンの意味とは?パトロンとギャラリーの違いは?

ゴルフの「夢の祭典」とも言われるマスターズ・トーナメント。

ゴルフをする人なら毎年マスターズが開かれる一度はオーガスタの地を訪れてみたいと憧れたことがあるのではないでしょうか?

そんなマスターズでのみ使われる「パトロン」という特別なゴルフ用語があることをあなたはご存知だろうか?

今回はそんな、ゴルフの夢の祭典、マスターズにまつわる「パトロン」についてご紹介していきましょう。

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マスターズでだけ使われるゴルフ用語のパトロンの意味とは?

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GACライターのBUNTAです。

今やゴルフのトーナメントは世界中で開催されていますが、パトロンという言葉を使うのは世界4大メジャー大会の一つであるマスターズ・トーナメントだけです。

そもそも、パトロン(英:patron)とは、後援者や支援者、賛助者などといった特権を持つ人や財政支援をする人を指す言葉ですが、なぜ数あるゴルフトーナメントの中でもマスターズでだけこの言葉が使われるのでしょうか?

【関連記事】マスターズ2020の優勝賞金と賞金配分一覧はこちら▽

パトロンの意味とは?

まず、マスターズにおいてパトロンとは“観客”のことを指します。

ゴルフでは一般的に観客のことをギャラリーと呼びますが、マスターズ・ゴルフトーナメントに限っては、観客はパトロンと呼ばれるのです。

なぜ観客をパトロンと呼ぶようになったのか

そもそも、なぜマスターズでは観客のことをパトロンと呼ぶようになったのか?

その答えはマスターズの歴史背景にあります。

マスターズのパトロンの由来は1930年ごろ、マスターズの創成期と言われる時代に遡ります。当時の大会運営は資金難であったことにその答えがありました。

マスターズ・トーナメントは創始者、球聖ボビー・ジョーンズとクリフォード・ロバーツが立ち上げたことでも有名です。

しかし、その創始者たちが大会の細部にこだわるあまり大会資金を使い果たしてしまい早々に資金難に陥ってしまったというのがこのお話のそもそもの始まりです。

そこでジョーンズ達を支援したのがオーガスタ・ナショナルGCのメンバーでした。

大会運営のため、オーガスタ・ナショナルGCのメンバー達が資金援助を行ってくれたことで大会は無事運営できたと言います。

さらに、大会創成期のマスターズ・トーナメントは「オーガスタ招待試合」という大会名でした。

これは、親しい仲間やオーガスタ・ナショナルGCのメンバーなどの後援者や支援者が観客として観に来る大会だったことから招待客のみが観戦できる大会であったことから招待試合と言われていました。

さらには”入場料金を賞金の原資にする”という方法でも観客達は資金運営にも携わったということから「観客=パトロン」と呼称されるようになりました。

その名残から今でもマスターズの観客をパトロンと呼ばれているのです。

マスターズの賞金は今でもパトロンの入場料から出されている

ゴルフファンの間でも実は意外と知られていないのが現在でもマスターズの賞金はパトロンの入場料から出されているということです。

そのため事前には賞金額が定められていないのがマスターズの特徴で、マスターズで選手に与えられる賞金額が発表されるのは最終日の前日です。

現在では当時の運営方法とは違い、メンバーからの資金提供は行われていないため、入場料やグッズの売り上げからその年のマスターズ・トーナメントの賞金額が決められています。

ちなみに第一回大会の優勝賞金は1500ドルでした。

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パトロンとギャラリーの違いとは?

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ゴルフの観客を意味する「ギャラリー」の由来

スポーツの世界では観客を様々な呼び名で呼びますが、観客をギャラリーと呼ぶのはゴルフとテニスだけです。

ギャラリーという言葉はゴルフ発祥の地イギリスから伝わったもので、英国の劇場では最上階にバルコニーがあり、その席が最も舞台から遠く一番安い席とされ、その席をギャラリーと呼んだのです。

その観劇の様子と広いゴルフコースから遠まきに選手のプレーを観戦する様子が似ていることからゴルフの観客のことをギャラリーと呼ぶようになったのです。

マスターズのパトロンは運営に“携わって”いる

マスターズの観客はギャラリーとは呼ばれないのはマスターズのパトロンは正確には観客ではないということがその理由でしょう。

マスターズの観戦チケットはパトロンリストに登録された人に限り先行販売されます。

一部ネットでの抽選販売も行われるようですが、その当選確率はアメリカのフットボールの大会、スーパーボウルのチケットよりも入手困難な超プレミアムチケットとも言われています。

パトロンリストへはウェイティングリストに登録することでその順番待ちをすることもできたのですが(1972年にすでに締め切られている)、パトロンが亡くなってもその遺族がチケットを購入し続けている例がほとんどのため新たにパトロンになることは極めて難しいと言われているのです。

さらに、そのチケットの購入代金は大会の賞金に振り分けられることからそのパトロン達はいまだに大会の運営に携わっているという観点があるため、観客やギャラリーとは呼ばれず「パトロン」と呼ばれ続けているのです。

マスターズの伝統はこれからも続く

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マスターズのパトロンはその観戦のマナーの良さも有名です。

これは、選ばれた特別な人たちしか選ばれていないこともしかり、選手や委員会とともにパトロンたちも一緒に大会を運営しているという意識の現れと言えるでしょう。

自分たちが大会に関わっているからこそ選手が勇敢なプレーを魅せれば大きな歓声と拍手を送り、逃げたプレーをすれば叱咤する。そうした選手やパトロンが一体となって創り出すのがマスターズであり、その伝統はこれからも続いていくことでしょう。



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