2019年開催の全英オープン第148回大会の開催地が北アイルランドのロイヤルポートラッシュGCに決定しましたね。
全英OPの北アイルランドでの開催は68年ぶりのこと。
日本人選手も7名の出場が決定しているこの大会ですが、開催地のロイヤルポートラッシュGCとはどのようなコースなのでしょうか?
全英OP2019開催のロイヤルポートラッシュGCとは?
今年、全英オープンゴルフ2019が開催されるロイヤルポートラッシュGCは、北アイルランドの中心都市、ベルファストから北へ150km以上離れたアントリム州の港町、人気リゾート地のポートラッシュから続く海岸線にある野生的な名ゴルフコースです。
全英オープンの開催される7月は夏のシーズンになるのですが、最高気温が19度程度と日本に比べると穏やかな気候です。
そんなロイヤルポートラッシュGCですがゴルフ史では由緒あるゴルフ場であることでも知られています。
ロイヤルポートラッシュGCの歴史
ロイヤルポートラッシュGCは1888年、全9ホールのゴルフコース、ザ・カントリークラブという名前で会場、その翌年に18ホールに拡張されたゴルフコースです。
その後、1892年にザ・ロイヤルコントリークラブ、85年に現在のロイヤルポートラッシュGCとなりました。
ロイヤルという名のつくゴルフ場はそれまで、イングランドにしか存在しておらず、イギリス本国以外で初めてロイヤルの称号を得たゴルフコースであり、開場7年でイギリス王室がその質を認めた歴史あるゴルフコースなのです。
1909年に36ホールに拡張後、29年には数々の全英オープン開催コースを手がけたハリー・コルトが、現在のダンルースコース、バレーコースと設計され、46年にダンルースコースの1番と18番ホールがなくなり、新たに8番、9番を増設、そして当時の3番が1番、2番が18番となり現在のロイヤルポートラッシュGCとなりました。
ロイヤルポートラッシュGCと全英OP
ロイヤルポートラッシュGCと全英オープンの関係性は深く、1951年に全英オープンでは史上初のイギリス本土以外での開催となったのがロイヤルポートラッシュGCです。
その後も全英OPはスコットランドとイギリス本土のみでの開催でしたが、2019年に68年ぶりに再び、北アイルランドのロイヤルポートラッシュGCでの開催が決定しました。
これは、2012年に行われたアイルランド・オープンの成功裏と近年、北アイルランド出身のPGAツアー選手のローリー・マキロイ、ダレン・クラーク、グレーン・マクドウェルなどの活躍が後押しとなったとされています。
全英オープン開催コースの難易度は?
今回の開催を受け、ロイヤルポートラッシュでは新たに2ホールの増設、新たなるハザードの追加などより難易度を上げて全英オープンを迎える準備を進めてきました。
これにより今までのコース難易度とは大きく違ってくるところではあり、難易度としての評価はつけ難いところではあります。
前回大会の51年ではイングランドのマックスフォークナーが3アンダーで優勝しています。
ただし68年前の大会ということと、当時の大会成績の記述はないため参考になりませんが、2012年に開催されたアイルランド・オープンの記録を参考にコース難易度を紐解いていきましょう。
ロイヤルポートラッシュGCで2012年に開催されたアイルランド・オープンではジェイミー・ドナルドソンが18アンダーでツアー初優勝を遂げています。
アイルランド・オープンは全英オープンと同時期の7月に開催されていることから、近い気候の中の開催でのスコアとなるのですが、大会初日は朝方の暴風雨のため大会スタート時間を1時間遅らせてのスタートとなりました。
4日間を終え、通算10アンダー以上のスコアで回った選手が17名、予選通過スコアが2アンダーということもあり、欧州ツアーでの難易度としては決して高くない印象を受けました。
ロイヤルポートラッシュの天候や特徴は?
ただし、大西洋の海岸沿いに位置するロイヤルポートラッシュGCは海風の影響を強く受ける海岸沿いに位置し、地元では有名な難しいリンクスコースとされています。
北アイルランドの気候は年間を通して不順で晴れる日の方が少ないとも言われています。
さらにはこのロイヤル・ポートラッシュは海沿いに風などの影響で長い年月をかけて出来上がった土手の高さからも海風の凄まじさが伺えます。
北アイルランド出身のローリー・マキロイもポートラッシュ出身で彼のバランスの取れたスイング、175センチと小柄ながら飛距離ではPGAツアーのランキングは常にトップ10以内をキープしている成績からこの地でのゴルフがどれほど厳しく過酷なものが想像できます。
2012年アイルランド・オープンが開催された当時、ロイヤルポートラッシュGCは全長7143yd(Per 72)での開催となりました。
今回の全英では全長を7344yd(Par71)と距離を200yd伸ばし、海に面した海風が吹き荒れる土地にダイナミックに広がる全英にふさわしいコースへと調整されています。
コース全長は前回大会のカーヌスティの7404yd(Pae71)と比べれば短く感じるかもしれませんが、今回の全英オープンの開催に向け増設された難易度な高いコースとなっていることでしょう。
大西洋からの海風と全英オープンに向けてのコースの改築によりよりタフな大会になることは間違い無いなく、リンクスらしいフェアウェイとグリーンの一体感が選手を悩ませること間違いありません。
コースのグリーンも全体的に大きく、アンジュレーションがかなり強いのが特徴で、グリーン外からパターを使うシーンも多くみられることでしょう。
また、グリーン周りから滑り落ちるように設計されたポットバンカーが多く仕掛けられているのもこのコースの特徴。
さらにはコースを設計をしたハリー・コルトは”パー3のミケランジェロ”と呼ばれており、ロイヤル・ポートラッシュのパー3もこだわりが詰まっていることに間違いないでしょう。
ロイヤル・ポートラッシュGCの注目ホール
絶景に息を飲む5番
374yd(Par4)では、コース随一の美しさを誇る海に向かって豪快に打ち下ろしていく名物ホール。
これから先に広がる苦難を微塵にも感じさせない大西洋の絶景が広がります。
8番の縦長グリーンをどう狙う?
ティショットから大きく右に曲がるドックレッグホールの8番434yd(Par4)。
このホールの特徴は縦長に設計されたグリーン。縦に長いリンクスのグリーンをどう攻めるかがポイントとなりそうです。
風の読みが運命を左右する13番
距離的には短い194yd(Par3)ではティショットで高さを出した時に風の影響を受けやすく、距離の計算が難しいホール。
海風を正面から受けるこのホールは優勝争いにも一波乱起こしそうなキーホールとなるのではないでしょうか?
ドラマの生まれる16番
今大会の目玉ホールとされる16番パー3。
パー3のミケランジェロ、ハリー・コルト設計のコースだけあってこの236yd(Par3)は運命の分かれ道と言えるホール。
236ydの距離のあるPar3にして打ち上げでグリーン面の見えにくいため距離のコントロールがカギを握るホールです。
風の影響を大きく受けるこのホールは、海を背にしたティーショットがフォローならばグリーンに止めるのも至難であり、はたまたアゲンストならばドライバーを握る選手もいるほどの難関ホールです。
ロイヤルポートラッシュゴルフクラブの18ホールのヤーデージ
ロイヤルポートラッシュでは今大会に先立って、7番、8番ホールを作り直す大規模な改修工事が行われました。
これまで行われてきたナショナルオープンや国際試合ではパー72の設定だったのに対し、今回の全英オープンでは、パーを71に設定するなどタフなコースセッティングになっています。
全米オープン2019注目選手は?
今年、2019年の全英オープンの注目選手筆頭格は全米オープン連覇、惜しくも3連覇は逃しましたが、2019年の全米オープンでも2位で終え、世界ランクも堂々の1位の”ブルックス・ケプカ”でしょう。
ケプカはPGAツアーに本格参戦する前、実はヨーロッパを主軸としていたのですが、その時に出会ったのが現在のキャディ、北アイルランド出身のリッキー・エリオットである。
北アイルランドの風を知り尽くしているキャディを味方に、ケプカが今年の全英の中心人物として優勝争いを見せてくれることに期待したいですね。
全英OP2019の日本人選手の出場は?
日本人選手からは今年は7人の全英オープンの出場が決定しています。
PGAツアーからは松山英樹、日本ツアーからは今平周吾、藤本佳則、稲森佑貴、浅地洋佑、池田勇太、堀川未来夢、アマチュアからは東北福祉大の金谷拓実が出場予定です。
最近は日本人選手の出場選手8名のうち7名が20代の選手と日本ツアーも世代交代が垣間見える中、東北福祉大卒業の筆者としては松山英樹の海外メジャー初優勝に期待で胸を躍らせています。
タイガーウッズにも期待が高まる
いかがでしたか?
これまで、9つのコースのローテーションで行われていた全英オープンだが、今回のロイヤルポートラッシュGCでの開催により10コースの持ち回りとなります。
今年の海外メジャー第1戦のマスターズで、タイガーウッズの復活優勝がゴルフ界を沸かせました。
ゴルフファンの皆さんはタイガーウッズのメジャー最多優勝まであと2勝ということもあり、タイガーウッズの全英優勝に期待している方も多いのではないでしょうか?
ゴルフ4大メジャーの中でも注目度が高い全英オープンから今年も目が離せませんね!
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