試合ごとの賞金総額も右肩上がりのアメリカPGAツアー。
ファンの数も増えているPGAツアーがファンにとってわかりやすい魅力的なシステムを導入しました。
それは、2018−2019シーズンのフェデックスカッププレーオフのルールの大幅の変更です。
今回は今シーズンより導入されたフェデックスカッププレーオフの変更点について紹介します。
Contents
フェデックスカッププレーオフのルールやシステムが今年から変更された
GACライターのBUNTAです。
今シーズン2018−2019のPGAツアーはツアープレーオフのシステムが大きく変更されたことでも話題となっています。
そもそもこの変更に至った経緯としてこれまでゴルフファンの中で疑問視されていたのが、FedExCup年間王者の決め方です。
実は昨年まで、多くのゴルフファンの間では、“なぜプレーオフ最終戦のツアーチャンピオンシップの優勝者が年間王者ではないのか?”と、こんなことが疑問視さてきました。
昨年、プレーオフ最終戦であるツアーチャンピオンシップの王者に輝いたのはタイガー・ウッズだったのですが、年間王者はジャスティン・ローズでした。ゴルフファンからすれば何のためのツアーチャンピオンシップなのかと疑問の声が出た今までのポイント制度。PGAではフェデックスカップをより多くのファンにとってより魅了的でわかりやすいコンテンツにするために、今シーズンよりフェデックスカッププレーオフのポイント配分やシステムの変更を決定したのです。
フェデックスカッププレーオフとは?
フェデックスカップとは、そのシーズンを通して出場試合の順位ごとに割り振られたポイントの合計獲得ポイントでチャンピオンを争うシステムです。
プレーオフとはそのポイントランキング上位125名の選手がフェデックスカッププレーオフに進み、プレーオフの試合ごとの成績の下位の選手が段階的にカットされ、上位の選手が次の試合に進めるサバイバル形式で年間王者を争うというものです。
フェデックスカッププレーオフ2019の変更点のまとめ
では、今シーズンから新たになったフェデックスカッププレーオフの変更点についてわかりやすくまとめてみましょう。
新システム“ウィンダム・リワードトップ10レース”
これまではPGAツアーでのレギュラーシーズンの最終戦、ウィンダム選手権までに獲得したFedExポイントに対してのボーナスは支払われることはありませんでした。
しかし、2018−2019シーズンより新システムである“ウィンダム・リワードトップ10レース”というシステムを設定し、レギュラーシーズン終了時までに獲得したポイントランキング上位10名に対し、順位に応じたボーナスが支払われることとなりました。
レギュラーシーズン終了時のポイントに対するボーナス額は、1位の200万ドル(約2億2400万)をはじめ、ポイント上位10名に計1000万ドル(約11億2000万円)が配分されます。
プレーオフの試合数の変更
これまで、フェデックスカッププレーオフは4戦だったのが今シーズンより3戦に変更されました。
変更前と変更後のフェデックスカッププレーオフのスケジュールは以下の通りになります。
第1戦:ザ・ノーザントラスト…合計ポイント上位125位まで
第2戦:デル・テクノロジーズチャンピオンシップ…同上位100位まで
第3戦:BMWチャンピオンシップ…同上位70位まで
最終戦:ツアーチャンピオンシップ…同上位30位まで
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《変更後》2018-2019シーズン
第1戦:ザ・ノーザントラスト…合計ポイント上位125位まで
第2戦:BMWチャンピオンシップ…同上位70位まで
最終戦:ツアーチャンピオンシップ…同上位30位まで
デル・テクノロジーズチャンピオンシップが減ることで今シーズンより、より短期間で年間王者が決まるというシステムになります。
さらに試合数を減らすことにより、レギュラーシーズンでのポイント上位の選手の年間王者へのアドバンテージとして反映されるシステム変更ですね。
フェデックスカップ・スターティング・ストロークの導入
今回のフェデックスカッププレーオフの最大の目玉といえばこの”フェデックスカップ・スターティング・ストローク”の導入ではないでしょうか?
この制度は、最終戦であるツアーチャンピオンシップまでに獲得したポイントに応じでツアーチャンピオンシップのストローク数にアドバンテージが与えられるというシステムです。
昨シーズンまでは、ツアーチャンピオンシップ終了時の年間の獲得ポイントの最も高かった選手が年間王者ということでしたが、今シーズンよりツアーチャンピオンシップの優勝者がFedEx CUP年間王者というシステムに変更になりました。
つまり、ツアーチャンピオンシップまでの獲得ポイント数によってツアーチャンピオンシップでの優勝へのアドバンテージができるというシステムです。
フェデックスカップ・スターティング・ストロークでのツアーチャンピオンシップスタート時のアドバンテージは以下の通りです。
FedExポイントランク | スターティングストローク |
---|---|
1 | −10 |
2 | −8 |
3 | −7 |
4-10 | −6 |
11-15 | −3 |
16-20 | −2 |
21-25 | −1 |
26-30 | E |
ツアーチャンピオンシップ2019の出場選手とハンデキャップ(スターティング・ストローク)はこちらの記事を参考
このフェデックスカップ・スターティング・ストロークのメリットとしては、レギュラーシーズン、プレーオフシーズンの成績を年間王者獲得へのアドバンテージとできること、ツアーチャンピオンシップの優勝者と年間王者が同じ選手になる、そして、視聴者が細かい計算をすることなくリーダーボードを見るだけで誰が年間王者に最も近いかが一目でわかるということですね。
フェデックスカップ年間王者の賞金も大幅に上がった
フェデックスカップの年間王者への賞金も昨シーズンから大幅に上げられたのか今シーズン。
昨シーズンの年間王者の賞金額は1000万ドル(11億2000万円)だったのに対し、今シーズンの年間王者の賞金額は1500万ドル(16億3000万円)と、なんとも呆気にとられる額が年間王者に与えられます。
ウィンダム・リワードトップ10レースを1位で終えた場合と年間王者の両方の栄光に輝いた場合の賞金額はなんと1700万ドル(18億5400万円)となり、昨年の賞金王のブルックス・ケプカの獲得賞金額に近い金額になるから驚きですね。
それだけPGAツアーが盛り上がりを見せているという証と言えるでしょう。
FedExCupプレーオフがよりわかりやすくシンプルになった
今回の大幅な変更により、細かな計算をする必要がなくなり、よりシンプルに誰が年間王に輝くのか、そして誰が追いかけているのかが鮮明になりました。
選手やファンは優勝争いにより集中してトーナメントを楽しむことができるというゴルフ界にとってはとても前向きな試みのように感じます。
筆者としては、昨シーズンこのツアーチャンピオンシップでタイガーウッズが悲願の復活優勝を見せたことを鮮明に覚えています。
人気と盛り上がりの高まるPGAツアーが、今回の変更によりゴルフファンにとってより魅了的なものになっていくのではないでしょうか?
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